岸川珪花の考えごと

日々の思いや自主研究、好きな本や音楽のことなどなど

夏なので英国の児童向け怪談を読む

 岸川の夏ホラー読書第2弾です。前回、私はクリス・プリーストリーの児童書怪談『モンタギューおじさんの怖い話』の続編を読みたいと綴りました。

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 続編3冊のうち、『船乗りサッカレーの怖い話』以外はもう日本で版を重ねていないようでした。待ってても手に入ることはないし、電子書籍版はないし、やはり気になるので、この度買って読むことにしました。児童書なので昨日土曜日で3冊読み切れました。感想を綴ってみたいと思います。

 

『船乗りサッカレーの怖い話』

 

 嵐の夜、海辺の崖に立つ宿屋で幼い兄弟が奇妙な船乗りから聞く海の怪談。語り手が船乗りなだけあって、船が出てくる怪談がほとんどです。あと、前作『モンタギューおじさんの怖い話』に比べて地味に人体損壊描写が多い。
 感想としては悲しく切ない物語でした。最終話を読むとプロローグがあれはそういうことだったのか…と繋がります。私が一番好きな話は最終話『トリカブト』です。それから、前作の語り手モンタギューおじさんが静かに再登場します。

 

『トンネルに消えた女の怖い話』

 

 ロンドンに帰るはずが気がついたらトンネルの中で停まってしまった列車、眠り続ける他の乗客、いつのまにか少年の目の前に座っている白い女…謎の女から聞かされる怪談集です。話のジャンルはクリーチャー襲来モノから幽霊モノ、太古宗教、人怖、都市伝説風といろいろ。
 状況から考えてこの女性はどう考えても…となっていきます。なんか、前作の『船乗りサッカレーの怖い話』といい、安全な立場で物語を聞いているのは1作目のエドガーくんだけだったじゃないかという気になります。エドガーくんは幸せでよかったね。
 私が気に入ったのは『小さな人たち』かな。可憐に見える存在のおぞましい側面を見てしまう怪談です。この本でもモンタギューおじさんの名前が登場します。

 

『ホートン・ミア館の怖い話』

 

 クリス・プリーストリーの怖い話シリーズだから前3作と同様の構成かと思ったら、これは短編集ではなく長編でした。挿絵も前3作のデイヴィッド・ロバーツではなく町田尚子さんです。
 幼い頃戦場で父を失い、母も失ってしまった少年は、父が命を救ったスティーヴン卿に引き取られ、クリスマスをホートン・ミア館で過ごすことになります。陰気な館は暗い秘密を隠しているようで、少年はそこで幽霊を目撃します…。
 イギリスの古い屋敷が舞台のゴシックホラー、なのかな。読んだ感想としては、展開が割とゆっくりというか、ホラー要素のジャブが弱めだと感じたので、「えっ、3分の2くらいまで読んじゃったよ?大して何も起きてなくない?」などと感じてしまいました苦笑 4分の3くらいからは急展開です。個人的な感想なんですが、クライマックスシーンに奇妙なデジャヴの感覚を覚えました。前にこういう話を読んだのか、それとも悪夢で見たのか?
 ホラーは続く、という感じですが、お前に祟られる筋合いはねえよと若干はっ倒したくなります笑

 英国児童向け怪談、ということでちょっとゴシック趣味を期待していたので、シリーズ全4冊で個人的に一番気に入っているのは『モンタギューおじさんの怖い話』かな。各話のモチーフに、ゴシック的なロマンを感じるからです。純粋に読み物として全体の構成が面白いのは『船乗りサッカレーの怖い話』かもしれません。

 まだまだ怖い話読みたい欲が冷めない岸川。noteで怪談を探そうかな、それともまたなんか買って読んでみようかな。ホラーに若干のゴシックロマンと民間伝承ロマンを求める者、それが岸川です。

 ここまで、読んでいただきありがとうございました。それでは、また!

 

夏だからホラー小説を読んでみる

 こんにちは、岸川珪花です。最近ジャンプ+で背筋さんの『口に関するアンケート』のコミカライズが始まりましたね。原作は短いらしいと聞いて、軽く読めるならちょっと読んでみようかな、と思い今日kindleで買ってみました。そしたらあっけないほど短かった。これじゃ私の怖い話読みたい欲は満たされない!

 私は以前は時々noteで公開されている怖い話を読み漁ったりしていました。実録系(を装っている?)怪談ほどオチがなかったりしますよね。『黄泉ノサイメ』を描いている時は作業BGMに島田秀平さんや三木大雲さんの怪談YouTubeチャンネルを見たりしていました。2BROラジオの怪談回は何度も聴いたし、『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡』も読んだし、夏はほん怖のドラマもチェックするし、一般人として怖い話は好奇心旺盛な小学生くらいの感じでまあまあ好きです。

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 さて、『口に関するアンケート』が思いの外短かったので不完全燃焼な私は、「ホラー小説 おすすめ」と検索してトップに出てきた方のブログでおすすめされていた小松左京の『霧が晴れた時 自選恐怖小説集』を読んでみることにしました。短編集です。

 全く自慢にならないのですが、私は大学を卒業して以来、資格勉強の本や技術書は読みましたが、小説というものを全く読まなくなりました。でも今日『口に関するアンケート』や『霧が晴れた時』を読んで、現代小説って割とスナック感覚で読めるもんだな、という感想が残りました。これからは時間が空いたら本読むのもいいね。

 小松左京はSF作家なので、ホラーというよりSFを感じさせる話が多かったです。『影が重なる時』を読んで、あっコレドラマ『世にも奇妙な物語』で見たことあるやつだ、と気づきました。ドラマ版はその時を迎える恐怖感・絶望感より、愛する人とその時を迎える静かな諦念として描いていたな、演出変えてたんだな、とわかりました。SFみが強くて好きだったのは『消された女』です。『骨』は悪夢感が強く閉塞感もあり切なくて印象に残りました。あと前評判だとグロい話はないってことだったのに『秘密(タプ)』は結構嫌な話じゃねーか話が違うだろーがよぉ!となりました笑

 この恐怖小説集は全2巻です。今下巻の『厳選恐怖小説集 牛の首』を読んでいるところです。感想を記録したいので、読み終わったらこの記事に加筆するかもしれません。

 大人向けの本は思いついたらkindleでパッと購入できていいですね。ところで、私は地味にこの児童書『モンタギューおじさんの怖い話』の続編を読みたいのですが、単行本しか出てないみたいですね。

 

 

 

 

 なんか中古しかないやつもあるな…デヴィッド・ロバーツの挿絵が好きなので欲しいところ…しかしそこまで出して買いたいほどではないな。児童書は子どもが電子書籍で読むのが予定されてないですよね。ところで『モンタギューおじさんの怖い話』、子ども向けだと完全に油断してたらラストの『道』という話がマジで怖かったです。ネット怪談の『双眼鏡』と類似の種類の怖さがあります。

 今Amazonを見たらこんな本もあるんですね!ホラーではないみたいだけど、今度こちらも読んでみよう。『こうしてイギリスから熊がいなくなりました 』と同じミック・ジャクソン×デイヴィッド・ロバーツのコンビみたいです。

 

 本当は私は次作の漫画『憑いてる男』に取り組まなければいけないんですが…まあ、アウトプットにはインプットも必要ということで。マンダロリアン完走したし、デジ絵も描いたし、面白い話も読めたし、良い三連休だったんじゃないかな。

 ここまで、読んでいただきありがとうございました。それでは、また!

追記:『厳選恐怖小説集 牛の首』、読み終わりました。なんかオチはこれでいいのォ?という話が多く感じました。SF、というかもはやファンタジー、あと理屈っぽい。なんでとは言いませんが『葎生の宿』の光景を思い浮かべたら爆笑してしまいました…笑

 

好きな音楽について語りたい〜洋楽ロック〜

 こんにちは。「芸能人格付けチェック」の音楽の問題は大抵外す岸川珪花です。あれ、自分が聴きやすい方を選ぶと大抵間違ってるんですよね…。

 そんな音楽を聴く耳にも知識にも若干疑問符がある岸川ですが、今回も懲りずに好きな音楽を紹介したいと思います。前回は邦楽でしたが、今回は洋楽です。

▼前回の記事はこちら

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 今回も3つのバンドを紹介します。

1.Three Days Grace

 3DGは1997年に結成されたカナダのバンドです(偶然にもMUCCとDIRと結成年が同じなんですね!)。ジャンルはポスト・グランジ、ハードロック、オルタナティヴ・メタル、オルタナティヴ・ロック、ニュー・メタル。力強いロックナンバーが多いですが、ドロ病みと表現されたりするくらいメンヘラな歌詞だったりするのが特徴ではないかと思います。
 有名な曲はこちら。

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 「俺はお前の全てが大嫌いなのに、なぜお前を愛してるんだろう?」という曲です。病んでますねー。
 私が好きな曲はこちら。

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 「ムシャクシャしてるんなら暴動を起こそうぜ、暴動を!」という曲です。

2.Breaking Benjamin

 BBはアメリカのロックバンドです。ジャンルはポスト・グランジ、オルタナティヴ・メタル、ヘヴィメタル、オルタナティヴ・ロック、ハードロック、グランジ。ボーカルのベンジャミン・バーンリーさんが持病の関係で飛行機に乗れないため、日本での公演は不可能なバンドです。特徴は、宗教的カラーも含む大きな世界観を曲の中で表現すること。
 有名な曲はこちら。

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 「(おそらく死んでしまった)彼女の日記には、自分の全く知らない彼女の姿が記されていた。君はなんだったのか、君にとって僕はなんだったのかを知りたくてページをめくり続けても答えは見つからない」という暗い曲です。
 暗いついでにこの曲も。

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 私は映画『沈黙 -サイレンス-』で信者達が拷問死していくシーンを観て、この曲の「私はあなたを信じてる、それを証明できる。私はあなたの空虚な嘘の全てから光を見出せる。私はこんなに間違ったこの世界にそう長く留まるつもりはない」という歌詞を思い出して心が折れました(※信徒は空虚な嘘とは思っていない)。
 明るめの曲も一曲。

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 晴れた日にこの曲を聴きながら歩いていると、アポカリプスを生き延びたような気持ちになれる曲です。ナニソレ?って感じですが、それくらい世界観を感じさせる曲です。

3.Marylin Manson

 言わずと知れたマリリン・マンソン。アメリカのミュージシャンです。ジャンルはオルタナティヴ・メタル、ヘヴィメタル、インダストリアル・メタル、グラムロック。
 マンソンはX Japanのhideのファンだったそうですね。私もX Japanでは『SCARS』や『DRAIN』などのhide曲が好きなので、それでマンソンも好きなのかもしれません。
 今有名な曲はこの曲でしょうか?

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 映画『ジョン・ウィック』に使われている曲です。実は以前TVドラマ『獄門島』にも使われていました。

 ショッキングなビジュアルが印象的ですが、マリリン・マンソンの歌詞は社会的で哲学的で意外に常識的ですよね。そこも好きなポイントです。
 こちらの方が訳した『The Beautiful People』の歌詞がかっこいいのでよかったら見てみてください。

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まとめ

 いかがでしたでしょうか。好きなバンド、と言いながら、全てのアルバムを聴いたわけでもないんですが、とても好きな曲があるので紹介させていただきました。英語の歌詞は短い音数で複雑な意味を作りやすいので、より創作する上で明確でロジカルな印象を与えてくれます。

 皆さんはどんな音楽が好きですか。おすすめのロックバンドがあったら邦楽・洋楽関係なく是非教えて欲しいです。今年も好きな音楽に出会えますように。

 ここまで、読んでいただきありがとうございました。それでは、また!

好きな音楽について語りたい〜Vロック・邦ロック〜

 皆さまこんにちは。今回は私が好きなアーティストと曲について綴ってみたいと思います。

 高校時代、友人から「クラシックしか聴かなそう」と言われたことがありますが、私はむしろクラシックはあまり聴かずロック系の曲をよく聞きます。

1.DIR EN GREY

 高校時代から、兄の影響で聞き始めたバンドです。いわゆるV系のロックバンドですね。DIRは歪んだ音色の中に冴える美しいメロディラインと独特の美学が表現されたMVが特徴で、好きなポイントです。
 DIRのMVは結構グロテスクでキツイな、というのも感じたりするんですが、『The Devil In Me』の人の心の中のトラウマイメージを描写する世界観はとても好きでした。

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 私はDIRの『FILTH』を聴くと『ファウスト』第一部のイメージが浮かびます。

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 『FILTH』の歌詞は笑っちゃうぐらいセクシャルですが、そこがファウストとマルガレーテの関係がセクシャルなのに合っているし、曲の不穏さが悪魔達が蠢くワルプルギスの夜を思わせ、サビの美しさが破滅に向かう2人の愛の一瞬の美しさを思わせるからです。畳みかける最後の歌詞も破滅に向かう2人の愛のカウントダウンみたいに感じます。

追記:最近のボーカルの京さんのInstagram投稿を見たのですが、ライブのメイクが半端なホラー存在よりよっぽど怖いじゃん!となりました。やはり全身で世界観を表現する方はすごいな…。

2.MUCC

 こちらもV系ロックバンド。メンバー全員が茨城県出身で、関東生まれ関東在住の私には親近感があります。ムックは暴力的だったり穏やかだったりテンポが良かったり、さまざまに変化する曲のカラーと哲学的な歌詞が好きです。『スイミン』と『フライト』とか、同じバンドの曲か!?と思うぐらい曲調が違いますよね。
 MUCCのMVで好きなのは『サイレン』。途中に入る切り絵コラージュが、サイケな感じでイイです。

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 MUCCの曲で私に強烈なイメージを与えてくれるのは『志恩』です。この曲を聴くと、私はシヴァ神の舞踏(ターンダヴァというらしい)のイメージが浮かびます。哲学的で東洋思想的な雰囲気のある素敵な曲です。

 

3.King Gnu

 YouTube Musicによると、2025年私がYouTubeで一番聴いたバンドはKing Gnuだったそうです。今更ながら『呪術廻戦』のアニメにどハマりしたのが原因です笑
 King GnuのMVで一番好きなのは『一途』。超クールです!

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 King Gnuの曲で一番好きなのは『Specialz』です。アニメ『呪術廻戦』渋谷事変のOPテーマでしたね。ダークな雰囲気にものすごくハマりました。

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 アニメのOP映像もめちゃくちゃ良かった…(ハマるのが遅いんだよなあ)。

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 DIRとMUCCは活動歴が30年近いベテランのバンドですが、King Gnuのように現代の人気アーティストの曲を好きになれると現代の感覚についていけている感じがして嬉しくなりますね笑

 音楽は、聴いていると脳内にイメージや色・形・風景を作ってくれますね。ムードに合う曲を聴くと創作イメージを出す助けになったりします。これからも絶えず心の琴線に触れる音楽を探し、自分の創作感覚を研ぎ澄ませていきたいです。

 昨年の紅白はサカナクションの『怪獣』を聴けてが楽しかったです。サカナクションのボーカル・山口一郎さんは2BROと仲が良いので、最近サカナクションにも注目しています。

 ここまで、読んでくれてありがとうございました。それでは、また!

杉浦日向子の『ごくらくちんみ』、寝る前の癒しの時間

 1日働いて、寝る前に読むとホッとする本があります。それは杉浦日向子の短編小説集『ごくらくちんみ』。
 皆さんは晩酌はなさいますか。私は結構してます。そんなにたくさんは飲まないのですが、仕事から帰っての一杯は1日の癒しの時間です。ビールが多いですが、日本酒やウイスキー、白ワインも好きです。

 杉浦日向子さんは江戸を楽しむ人・現代を生きる江戸人と呼ばれた作家です。彼女は漫画家でもあり、私は中でも葛飾北斎とその娘お栄、居候の池田善次郎が主人公の『百日紅』、怪異譚集の『百物語』が好きです。杉浦さんの漫画は読者に感じる余地を与える余白が多いので、読むと素敵なインスピレーションをもらえます。

 そんな彼女が酒と珍味を入口に、物語を綴った短編小説集。それが表題の『ごくらくちんみ』です。一話に一つ珍味・おつまみを取り上げて、そのモチーフを中心にして人々の生活の情景が描かれます。

 私、この本が大好きでした。お酒を嗜むとはいえ、モチーフになっている肴は食べたことがないものがたくさん。食べ物の食感や香り、見た目の描写が秀逸でとても美味しそう。扱われる珍味類は全て杉浦日向子さんの自筆イラスト・コメント付きで温かみがあります。

 この本を読んで私が食べてみたいなと思ったのは、うずらのぴーたん、いぬごろし(鮪の尾鰭)、黒いブータン(豚の血のソーセージ)。この本の描写を読んで味を想像しただけだけれど、私としてはどれも魅力的で興味を惹きます。

 この本を買ってしばらくの間、私は寝る前に読んで癒されていました。そんなん読んだら寝る前にお腹空いちゃうんじゃないの?と言われそうですが、主食・主菜じゃなくてお酒の肴の珍味なところがちょうど良かったみたいです笑

 食べ物の印象じゃなくて、物語として好きだったのはモッツァレラの回かな。初々しいカップルが時々互いに微笑み合いながら真っ白なモッツァレラチーズを食べる、まっさらで綺麗な話です。

 杉浦日向子さんは幼い頃からものすごい偏食だったそうです。だから、この物語に出てくるものにも食べられないものがあったのでは?と考えてしまいます。となると想像で味を書いた食べ物もあったのかな。だとしたら凄まじい想像力と表現力ですよね。

 眠りにつく前に、ちょっとホッとするような、心が満足する時間が欲しくなりますよね。今でもときどき、寝る前にお酒と珍味にまつわる小さな話を読んで心に潤いをもらっている岸川でした。皆さんもよかったら是非読んでみてください。食べ物の描写を読むのが好きな人、そして一日の終わりに静かな余韻を残したい人に、そっと薦めたい一冊です。懐かしい味・新しい味に出会えるかもしれませんよ。

田辺聖子の『私本・源氏物語』が好きだった

 高校時代、古典の時間に『源氏物語』を読んだ。1000年以上も昔に書かれたこの物語は、文化も言葉も違いもはや現代の私からしたら外国文学のようでとても面白かった。それぞれの章をビジュアル化したら一体どうなるのか?が気になって、高校の図書館に漫画『あさきゆめみし』を読みに行ったら該当の巻はいつも貸し出し中で、予約がずっと埋まっていたっけ。仕方ないから自分で買って読んだ。絵のビジュアルがあでやかで気が強くて可愛かったから、私は漫画では朧月夜の君が一番好きだった。文庫本一巻の夕顔のカラーイラストがとても美しかった記憶がある。

 『源氏物語』、で思い出すのは田辺聖子の『私本・源氏物語』のシリーズだ。『新・私本源氏物語 春のめざめは紫の巻』も『異本 源氏物語 恋のからたち垣』も読んだ。

 原作ではロマンチックな美男として描かれる光源氏の言動へのツッコミが、これでもかと凝縮されている。このシリーズの光源氏はモテる色事師で甘やかされたお貴族様のボンボン。乳母子の惟光もチャラ男でモテ男。彼らの面倒を見る下働きの伴男や、伴男の彼女たち(オッサンだけど伴男もモテるのだ)の視点で物語は描かれる。

 恋物語を読んでいると、男女の関係は甘美なものと思いがちだし、70年代の少女漫画を読んでいると男性像が妖精的になりがちだ。そういう甘美な思いは青年誌や少年誌を読めばすぐ相対化されるが、この田辺聖子という女性目線で描かれた男女の関係も、生活感の手触りがあって良い。たらふく食べてゲップとオナラをする光源氏。現実なんてそんなもんだよな、とクスッとなる。

 私が好きなのは『私本・源氏物語』の花散里の回。女人の家から帰る途中で空腹に耐えきれなくなった光源氏は、そういえばこの近所だと思い出した花散里の君の家で朝食をご馳走になる。今度は晩に逢いにくるからね、と約束をした癖にすっぽかし、別の日、また別の女人の家から帰る途中でどうしてもトイレに行きたくなってしまった光る君。彼はまた花散里の姫君の屋敷を思い出し、ご不浄を借りる。なんだよこの花散里の扱い、と言いたくなるが、彼女は光源氏が来るたびに朗らかに愛想良く出迎え、美味しいご飯でもてなしてくれる。食いしん坊な姫君だから、朝食や光る君を待って準備していた晩のご馳走のメニューのラインナップがいちいち綴られるのも美味しそうで楽しい。
 『私本・源氏物語』の花散里の姫君は、源氏が須磨に流刑になる時も、「あの地方でしたらこれこれこういう美味しいものがありますね」と指折り数えて見せる。丈夫で生活を楽しむ精神がとても可愛い。

 他に私が気持ちを寄せるのは、末摘花の姫君だ。彼女が美しくないところに親近感を覚えるのだろう。『私本・源氏物語』では美しいが情感のない姉と才気溢れるが醜い妹の2人姉妹として、『異本 源氏物語 恋のからたち垣』では冷静でズケズケいうところがチャーミングなしっかり者の不美人として描かれていた。私は花散里の君と末摘花の姫君が田辺聖子の描く源氏ヒロインでは一番好きだ。勝つヒロインではなくても、忘れられなくなる可愛らしい女性キャラクターだと思う。

 ところで私は今後ラブコメなど描いてみようかと思っているが、どうせオナラもゲップもするんでしょ、と思ってるからあまりロマンチックにはならないと思う。『あさきゆめみし』では朧月夜が好きだけど『私本・源氏物語』では花散里と末摘花が好きだし、どんなヒロインになるのやら。よかったら見守ってやってください。

【創作大賞2025マンガ部門】入選いたしました!

 1週間ほど前のことになりますが、この度、私が描いた漫画『パラノーマル・ティーパーティー』がnote創作大賞2025のマンガ部門で入選をいただきました。少年ジャンプ+編集部様のご推薦です。嬉しい!

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シャンパンで祝う陽美とアダン🥂

 

 私は漫画で賞をいただくのはこれが初めてです。だからとても嬉しいです。

 少年ジャンプ+編集部様はコミティアの出張編集部にいらしていることが多く、過去に持ち込みが出来る機会もたくさんありました。しかし「自分の漫画は少年ジャンプじゃないだろ…」という思い込みにより今まで漫画を見ていただいたことはありませんでした。この創作大賞で、自分からは見ていただく勇気の出なかった編集部様へご縁を繋いでいただいたこと、かつ日々とりとめのないことを綴っても受け入れてくださっていること、それらについてnote様には本当に感謝しております。漫画を読んでくださった編集部の皆様、noteユーザーの皆様も、誠にありがとうございます。

 まだ『パラノーマル・ティーパーティー』を読んだことがない方はよろしければこちらから読んでみてください。怠け者な悪魔が怪奇現象の起きるお茶会に参加する話です。

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 私は空間を描くのが苦手なのですが、どうせ描くなら自分の好きな舞台にしよう!日本の洋館でアンティーク家具を描こう!というコンセプトで描いたのがこの漫画です。食器やカトラリーにも凝ってみましたので、是非そのあたりにも注目していただけたらと思います(そのせいで描き込み過多でどこを見たら良いか分かりにくい画面にもなってしまっていますが…)。

 いただいた賞金について、せっかくだから記念に残るものに替えようと思い、現状ゲーム実況者の2BRO.とソニックコラボの限定トートバッグを購入しようと考えています。2BRO.もソニックも大好きなので、この記念は推しと共有しようと思います。

 現在構想中の漫画が3本ありますし、今後もワークライフバランスを保ちながら創作活動に勤しんでいきたいと思います。

 ここまで、読んでいただいてありがとうございました!

/おめでとー!\ by. 手作りマスコットのアダン

おまけ:Grokで動かしたら思いの外可愛かった🥂

 

▼今年に入って新しい漫画も描きました!タイトルは『魔法使いの仮面』、ファンタジー漫画です。ぜひ読んでみてください

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